ブログをご覧いただきありがとうございます、柏井歯科矯正歯科の柏井桂です。
前回は「歯周病とは」というテーマで、歯周病の定義や成り立ちについてお話させていただきました。
そこから繋がるような形で今回は「歯周病の予防と対策」という内容で、皆さんの生活の中で日ごろから意識していただきたい事などをお話したいと思います。
いきなりの結論ですが、これに尽きるかと思います。
当たり前の話のようで恐縮ですが、この『適切な』というところをもう少し深く今回は考えます。
前回お話したように、歯周病の原因は細菌です。
つまり、適切な歯ブラシとは細菌を取り除くということです。
よく歯医者さんで「がんばって歯ブラシしてくださいね!」と言われたことがある方もおられるのでないかと思います。
この真意は「しっかり細菌が付いているところを狙って歯ブラシしてくださいね」であって、決して”お昼に食べたうどんのおねぎがはさまってますよ”とか”ゴマ粒が歯と歯の間にはさまってますよ”なんて意味ではありません。
ねぎやゴマが付いていてもかまいませんので(エチケット的には付いていない方が良いですね)、是非「除菌」を意識した歯ブラシを実践していきましょう。
では、具体的にどこを歯ブラシすれば良いのでしょうか。
これは歯周病に関していえば歯と歯茎の境目です。
こういう部分で、歯と歯茎の境目にある溝のような部分(歯肉溝といいます)です。
窓のサッシをイメージしていただけると感覚としては近いかと思います。あそこホコリが溜まって掃除しにくいですよね。
断面図でみると上の図のような状態です。
この溝にたくさん細菌の塊が増えていくと、細菌が身体を攻撃してこの溝が拡がって深くなり、袋状の形態になり細菌の溜まり場になってしまいます。
細菌は身体と反応して炎症を起こすので、出血したり腫れたり痛んだりもします。
歯周ポケットという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、それがまさにそんな状態で、歯肉溝が歯周ポケットになってしまっては歯ブラシの毛先が届きませんので、そうならないようにブラッシングを意識して、浅い歯肉溝を維持することが非常に大切です。
また、視点を変えて細菌感染症の予防という観点から考えると、日本人(だけではありませんが)の保菌率や生活様式から考えても、感染経路を完全に遮断するというのは現実的では無いかもしれません。
気を付けるとすると、小さなお子様がおられるなら食事の取り分け等に注意を払って、大人から子供へなるべく唾液を介してうつさないよう意識するぐらいでしょうか。
小難しい単語を並べてしまいましたがまとめてみると、『除菌の意識を持って、歯と歯茎の境目を狙ったブラッシングを』心がけましょう、という感じです。
実際の歯ブラシの当て方や動かし方は歯科医師や歯科衛生士と一緒に実践・練習するのが一番の上達の道です。何でもお聞きください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、「そうは言っても歯周病になったら、実際の治療はどうなるの?」というところをお話したいと思います。
京都北山・北大路の歯医者・矯正歯科
柏井歯科矯正歯科
院長 柏井 桂