こんにちは、柏井歯科矯正歯科の柏井桂です。
前回からの流れで今回のテーマも虫歯です。
それも虫歯が進行してしまった場合のお話をさせてください。
少しネガティブな内容に聞こえるかもしれませんが、やはり日々歯科治療を行う上で避けて通れないところですので、お付き合いいただければ有難いです。
さて、虫歯は早期発見もしくは未然予防が理想的であることは皆さんご理解頂けていると思いますが、どうしても進行してしまった虫歯や痛みが治まらない虫歯は、残念ながら治療が必要です。
その中でも、
このような感じまで、歯の中の神経や血管がもろに走っているところまで虫歯が来てしまった場合のお話です。
ここまできてしまいますと、とにかく痛いです。
経験された方もおられるかと思いますが、”夜寝られないぐらい痛い” ”ガンガン殴られるような痛み” ”人生で一番の痛み”などなど、表現は様々ですが、とにかくめちゃくちゃ痛いんです。
治療はどうなるの?というところですが、
基本的には、その歯の神経・血管(歯髄といいます)を全て除去します
痛みがあまりなく神経までギリギリきてしまった場合などは神経を残して治療が出来る場合もあります、これはまた詳しく。
どんな治療をして神経や血管を除去していくのかというと、大まかに3つの要素に分けられます。
虫歯菌に感染してしまった部分は基本的には元に戻りませんので、残念ながら削り取ります。
どうしても機械で削る時に熱が発生するので、冷却用にお水が噴射されたり、あの例の音が出たりします。よくいわれるあの歯医者さんでの不快なヤツですね。
どうしても機械的に削り取れないところは出てきますので、次亜塩素酸(コロナ対策で知名度があがりました)や、エデト酸ナトリウムで神経の管をしっかりキレイにしていきます。
日々のお掃除に例えると、スポンジやタワシが道具(物理的な除去機械)だとしたら洗剤や漂白剤(化学的な補助剤)が①と②の関係でしょうか。
こうしてきれいになった神経の管は空っぽになります。
空っぽのところに余計なものがつまったりすると、再感染の危惧が高まりますので、空っぽの神経の管にはヒトの身体に優しい材料で充填します。
こうして神経を取る治療をした歯は、内部を補強した上でプラスチックやセラミックや金属などで被せて治療を終えます。
ここからが、本題といいますか、皆さんに知っておいていただきたい話になります。
”この歯は5年前に神経取ってもらってね、おかげで痛みが全くないよ”
”なんとなく、この神経とられた奥歯が何故かズキズキ痛い、おかしい。なんで?”
よくお聞きする話です。
これらの疑問を解決に導く決定的な質問をこちらから更に投げかけてみます。
ではこの歯は抜歯しますので、神経が無いなら麻酔なしで抜歯して良いですか?
イヤな話をしてすいません。あくまで例え話です、安心してください。
でも、おそらく皆さん、麻酔して欲しいと思いますよね?その感覚が正しいんです。
つまり、その歯の内部の神経は取って治療しても、歯の外側・周りの組織はしっかり生きているということです。
当たり前のようなことを話していますが、ここ認識違いされている方はけっこう多いと思います。
今回も長く、少しイヤな話に、お付き合いくださりありがとうございました。
歯の神経の治療はあくまで歯の内部の話なので、痛む時は歯の外側が痛んでいると区別して理解していただければと思います。
京都北山・北大路の歯医者・矯正歯科
柏井歯科矯正歯科
院長 柏井 桂